テキスト国際会計基準(第4版)


著者名 桜井久勝 編著
タイトル テキスト国際会計基準(第4版)
出版社 白桃書房 2009年11月
価格 3300円 税別

書評

本書は「国際会計基準(IAS)」および「国際財務報告基準(IFRS)」を構成するすべての会計基準の内容を,網羅的かつ総合的に説明した解説書です。

企業の業績測定のための利益計算ルールとなる会計基準の内容は,国によってさまざまです。たとえばGM,日産,フォルクスワーゲンの業績を財務諸表で比較しようとしても,使用された会計基準が異なるので,単純には比較できません。このため各国の関係機関が参加して,会計基準の国際的統合のための努力が行われ,その成果が国際会計基準(2002年まで)および国際財務報告基準(2003年から)として発表されています。

会計基準の覇権を握ってきたアメリカに対抗して,EU諸国は2005年から域内企業にこれらの国際基準の採用を強制するとともに,2007年にはEU企業がアメリカ市場での資金調達に際してこれらの国際基準に準拠した財務諸表を使用することをアメリカに承認させました。日本でも,2010年3月期から国際基準を自発的に採用することが許容される一方,早ければ2015年からすべての上場会社に国際基準の採用を強制する方向で,制度的な整備が推進されつつあります。

本書は,このようにして今後は会計に関する実務や研究にとって不可欠な知識となるであろう国際会計基準と国際財務報告基準のすべてを,日本基準との比較,キーワード,演習問題もまじえて理解しやすく解説しています。解説の対象は2009年8月末現在で効力をもつすべてのIASとIFRSです。

目次

第1章 会計基準の国際的コンバージェンス
第2章 概念フレームワーク
第3章 財務諸表の表示(IAS1)
第4章 棚卸資産(IAS2)
第5章 キャッシュ・フロー計算書(IAS7)
第6章 会計方針,会計上の見積りの変更および誤謬(IAS8)
第7章 後発事象(IAS10)
第8章 工事契約(IAS11)
第9章 法人所得税(IAS12)
第10章 有形固定資産(IAS16)
第11章 リース(IAS17)
第12章 収益(IAS18)
第13章 従業員給付(IAS19)
第14章 国庫補助金の会計処理と政府援助の開示(IAS20)
第15章 外国為替レート変動の影響(IAS21)
第16章 借入費用(IAS23)
第17章 関連当事者についての開示(IAS24)
第18章 退職給付制度の会計と報告(IAS26)
第19章 連結財務諸表と個別財務諸表(IAS27)
第20章 関連会社への投資(IAS28)
第21章 超インフレ経済下における財務報告(IAS29)
第22章 ジョイント・ベンチャーに対する持分(IAS31)
第23章 金融商品の表示(IAS32)
第24章 1株当たり利益(IAS33)
第25章 中間財務報告(IAS34)
第26章 資産の減損(IAS36)
第27章 引当金,偶発負債および偶発資産(IAS37)
第28章 無形資産(IAS38)
第29章 金融商品の認識および測定(IAS39)
第30章 投資不動産(IAS40)
第31章 農業(IAS41)
第32章 国際財務報告基準の初度適用(IFRS1)
第33章 株式報酬(IFRS2)
第34章 企業結合(IFRS3)
第35章 保険契約(IFRS4)
第36章 売却目的で保有する非流動資産および廃止事業(IFRS5)
第37章 鉱物資源の探査と評価(IFRS6)
第38章 金融商品の開示(IFRS7)
第39章 事業セグメント(IFRS8)

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