経営パワー大全


著者名 ジョセフ・ボイエット、ジミー・ボイエット 加登豊 金井壽宏 監訳 大川修二 訳
タイトル 経営パワー大全
出版社 日本経済新聞社 2003年
価格 2000円 税別

書評

加登豊より

この本には、マイケル・デル、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウオルト・ディズニーなどの日本でも著名な起業家がたくさん登場します。それに加えて、欧米人ならだれでも知っているけれど日本ではあまり知られていない起業家の話がたくさん掲載されています。ウォーレン・バッフェト、デビィー・フィールズ、ハワード・ジョンソン、レイ・クロック、ロバート・モンダビ、ハワード・シュルツ、フレデリック・スミス、デーブ・トーマス、テッド・ターナー... 彼らが作って成長させた会社名が全部わかる人はそれほど多くはないでしょう。でも、彼らは、欧米人、とりわけアメリカ人ならだれでも知っている有名人なのです。また本書に出てくる会社の半分くらいは、どのような会社なのか私たち日本人には分からないでしょう。でも、この本を何度も読み返せば、登場する企業や起業家に対して、強烈な関心と興味がわいてくるはずです。読み始めて100ぺージも読み進まないうちに、「アメリカに行こう。どんな会社か、どんな店かを肌で感じてみたい」と思ったあなた。そう、そういう人は「恐怖クラブ」のメンバーになる有資格者です。また、この本を読みこなせば、アメリカとはどのような国なのかがきっとわかると思います。そんな読み方もできるのです。原著を購入し、この翻訳書を横において最後まで読み終えれば、あなたの英語力は格段に向上するでしょう。「はしがき」で書いたように、この本は0.001%の良書です。

金井壽宏より

グルーということばは、ある領域を極めた達人のことをいう。世の中には、インド哲学のグルーもいれば、マネジメントのグルーもいる。経営学の大家の79名の考え方を、うまく紹介したガイドがあり、『経営革命大全』という書名で邦訳を出したことがある。経営学理論へのグルー・ガイド(達人を通じての紹介ガイド)をはじめ、米国では今回訳したふたりのボイエットさんの著書は、グルー・ガイドシリーズとして一種のブランドにもなっているそうだ。今回出た『経営パワー大全』は、同じ著者たちによる新著、The Guru Guide to Entrepreneurship(起業家活動・精神のグルー・ガイド)の全訳だ。会社を興すようなひとが、どのようなひとで、どのようにアイデアを練り、どのように資金調達して、どのように最初の製品を売り、顧客ベースを広げ、人事が必要となるほど成長していくのかという過程での勘所が、70名の経営者による生の言葉とともに、うまく整理されているのが本書の特徴だ。起業をめざすひとだけでなく、起業という観点から見るのが経営の全貌を理解するひとつの意義ある方法なので、生きた経営学を学びたいひと皆に読んでいただきたい。

目次

はじめに

Chapter1 あなたは起業家の器か?
Chapter2 完璧なアイディア
Chapter3 資金の調達と管理
Chapter4 顧客を獲得する
Chapter5 顧客を維持する
Chapter6 人を管理する

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