リスクマネジメントと会計


著者名 古賀智敏 河﨑照行 編著
タイトル リスクマネジメントと会計
出版社 同文舘出版 2003年
価格 3800円 税別

書評

わが国でも、デリバティブの失敗事例や金融システムの崩壊を契機として、企業のリスクマネジメントのあり方が大いに注目されるところとなった。利益額がリスクマネジメントによって大きく影響されるとの認識が浸透するとともに、いまやリスクマネジメントは企業に不可欠な戦略的要素をなすものとなった。

わが国でもリスクマネジメントの整備が強く求められる現在、本書は、24名もの第一線で活躍中の研究者と実務家との英知を結集し、理論と実践事例を結びつけることによって総合的かつ本格的なリスクマネジメントのあり方を提示しようとするものである。

リスクマネジメントについては、すでに、内外に多くの類書が出版されている。しかしながら、既刊のリスクマネジメントに関する類書の多くは、ファイナンス理論に基づく極めて高度な研究書であるか、あるいは、企業のリスクマネジメントに関する単なる解説書やハウ・ツー式の実務書の域を超えるものではないと思われる。本書は、リスクマネジメントの基底をなす考え方なり理論を究明しつつ、リスクマネジメントの実践に対しても有用なガイダンスを提供しようとするものである。

目次

第1部 リスクマネジメントの理論的フレームワーク
第1章 リスクマネジメントの理論的フレームワーク
第2章 リスクの本質と情報開示
第3章 融商品とリスクマネジメント
第4章 価格変動リスクとヘッジ戦略
第5章 信用リスクの評価とリスクマネジメント
第6章 公正価値会計と評価リスク
第7章 リーガルリスクとリスクマネジメント
第8章 オペレーショナル・リスクマネジメント
第2部 リスク評価とリスクマネジメント・ポリシー
第9章 ビジネス・リスクの評価とコントロール
第10章 金融機関のリスク評価とリスクマネジメント
第11章 リスク評価とIT利用
第12章 国際機関におけるリスクマネジメント・ポリシー
第13章 米国における市場リスク情報開示のあり方
第14章 新興市場におけるリスクマネジメント
第15章 リスク環境の変貌と金融会計基準の国際比較
第16章 リスクマネジメントと財務分析
第3部 リスク評価とリスクマネジメントの実践
第17章 金融機関とオペレーショナル・リスクマネジメント
第18章 企業経営と全社的リスクマネジメント
第19章 財務リスクマネジメント
第20章 税務リスクマネジメント
第21章 システムの信頼性に対する保証サービス
第22章 リスクマネジメントの実践例
第23章 国内上場・店頭公開企業のリスクマネジメント