デリバティブ会計( 第2版 )


デリバティブ会計( 第2版 ) カバー写真
教官名 古賀 智敏 教授
タイトル デリバティブ会計( 第2版 )
出版社 森山書店 
1999年11月
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書評

 デリバティブを対象とした会計研究は、従来、国際会計基準委員会や各国の基準セッター、あるいは、職業会計士とその団体によって取り組まれてきたが、その主たる対象は、会計処理や開示方法などの技術的側面であり、デリバティブ会計の理論的側面の 検討はほとんどなされていない。

 本書は、実物経済から金融経済への移行を背景に、実物財に対するハイテク・ソフト財としてのデリバティブを対象に、「経済的実質主義 ― 意思決定有用性 」を基本的視座として、その固有 の会計問題の総合的解明と理論展開を図ったものである。初版は 1996年に刊行されているが、本書( 第2版 )は、初版刊行後に 公表された金融商品にかかわる内外の会計基準等をふまえて、新 たに三つの章を増補したものである。特に第18章では、広く企業 のリスク管理活動の一環をなすヘッジ対象とデリバティブの利用実態、時価評価導入に対する企業の対応等を質問票調査を通じて 分析しており、企業のリスク管理体制に対する実務的対応を知る 上で興味深い。