社長の値打ち
著者名 | 長田貴仁 |
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タイトル | 社長の値打ち |
出版社 | 同文舘出版 2007年10月 |
価格 | 760円 税別 |
書評
「社長とはどのような人ですか」。経営が高度化し、それを取り巻く環境も複雑化してきている今、この問いに答えるのはなかなか難しい。だが、同じ質問を子どもにすれば、いとも簡単に答える。
「テレビで頭を下げて謝っている人でしょ」
小学生たちの間では「謝罪会見ごっこ」が秘かなブームらしい。小学生なりに「誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げている、おじさん、おばさんを軽蔑しているのである。本書では、このような人たちを「シャチョウ」と表記している。
企業の持続的成長を可能にするビジネスシステム(ビジネスモデル)を構築することは社長の大きな仕事である。だが、「社長の値打ち」は、業績という経営の通信簿だけで決まるわけではない。「社長」はそんなに甘い職業ではないのだ。「社長」は自分のためではなく、他者のために生きる社会的存在である。
戦後に創業された企業でも、創業者がいなくなり、専門経営者(サラリーマン社長)が大量生産される時代になってきたが、今こそ「経営の技術」だけではなく、「経営の精神」を備えた真の実業家を育て、「社長」の基準を底上げすべきだ。本書は、著名経営者へのインタビューをもとに、「士魂商才」を提唱する啓蒙書である。
目次
第一章 社長の危機
第二章 社長の存在感
第三章 社長の哲学
第四章 社長の苦悩
第五章 社長の条件
第六章 社長の進化