分散化が銀行のパフォーマンスに及ぼす影響

要約

本稿の目的は,日本の銀行における業務内容および貸出先の分散化が,自身のパフォーマンスにどのような影響を与えるかについて実証的に明らかにすることである.そのために,1983年度から2007年度までの銀行個別データを用いてパネル推計を行った.その結果,銀行が業務内容を分散化しても利益やリスクは改善できない一方で,貸出先の分散化は銀行の利益を高め,リスクを低減できることが明らかになった.この実証結果は,銀行の利益追求と安定経営を両立させるためには,貸出先を分散化させることが有効であることを示唆している.

キーワード:銀行経営,業務内容の分散化,貸出先の分散化

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立花実

畠田敬

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