地方自治体の経営: 広島県庁の事例研究
要約
近年、事業の持続成長や競争優位性の獲得が目的で使われる「経営学」の概念や手法が、企業だけでなく、地方自治体にも適用され始めた。「経営学」の中でも、とりわけ、経営管理手法を地方自治体の運営に適用しようする動きは、1970年代の後半まで遡るが、1980年代から2000年代にかけて、そのような試みがNPM (New Public Management)という名の下にもてはやされ、OECD諸国において様々な理論が実践へと移された。ヴェーバーが合理的だと位置づけ、マートンがその逆機能を指摘した近代官僚制に関するいくつかの問題点を克服するために考え出されたものがNPMであるが、NPMに関する活動は、大きく分けて、以下の三つに分類される。部門や業務の分離分別、競争原理の導入、成果を上げるためのインセンティヴシステムの活用。本稿では、NPMの事例研究として、広島県庁に焦点を当て、実際に行われている活動を議論する。一部、新しいNPM活動が含まれており、まだ試みの段階であるので、現時点でその是非を問うのは時期尚早と考えるが、新しい行政管理に取り組んでいる他の地方自治体の参考になる可能性があるため、紹介している。
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島田智明 瓜生原葉子 湯﨑英彦 |
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