老舗同族企業の成長と衰退にかんする調査研究―株式会社 林原 元専務取締役 林原靖氏にきく―
2020・16
要約
本稿は、岡山の名門同族企業として知られた株式会社林原の元専務取締役、グループ会社の太陽殖産株式会社等の社長を務めた林原靖氏へのインタビュー調査の報告を主たる目的とするものである。2011年2月に会社更生法適用が申請されたが、その経緯も含め、企業の存続、成長および衰退にかんして、創業家一族といった内的要因だけでなく、ステークホルダーといった外的要因にも着目し、その準備的研究として本調査を行なった。
これまで、われわれは同族企業かつ非上場企業の倒産や衰退についても研究を進めてきた(吉村・曽根, 2002; 曽根,2004; 曽根・吉村,2004; 曽根・加護野,2007; 曽根・加護野・吉村2010; 曽根, 2019など)。また、インタビューに応じていただいた林原靖氏(2013; 2016)、その兄で元社長の林原健氏(2016)なども含めた先行研究における事実確認を行なった。これらの研究は、今後のファミリービジネスや老舗企業研究における企業統治、戦略のあり方にかんしても重要な基盤になると考える。
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吉村典久 曽根秀一 |
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