新型コロナ関連の金融支援に関する実態調査

2021・07

要約

新型コロナウィルス流行によって経済的な影響を受けた小規模事業者を主な調査対象として、経済的な影響の程度、金融支援への認知度、支援に関する相談・申請の有無とその方法、給付決定等までの時間、今後の支援のあり方等について、アンケート調査を実施した。
新型コロナ関連の政府の金融支援に関しては、マスコミや政府のウェブサイト等を通じて比較的早く情報を入手していたものの、相談や申請の方法(対面・郵送・オンライン等)、申請の難しさ・面倒さ等の面では、支援の種類毎にばらつきがあることが観察された。
わが国では、今回の新型コロナの問題を契機として、社会のデジタル化、政策対応の遅れが指摘されている。金融支援に関しては、わが国では、金融危機等の経験もあり、比較的制度が整備されていたと思われるが、それでも、非接触への対応(職員の配置体制)、デジタルリテラシーの問題、行政の手続き一元化の問題、給付等の制度設計等の問題等、さまざまな課題が表面化したようにも思われる。今後は、今回のアンケート調査をさらに詳しく検討することにより、金融支援に関する望ましいデジタル化の方向性について分析することにしたい。

キーワード:covid-19、公的金融支援、デジタル化

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藤原賢哉

地主敏樹

家森信善

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