格付けと競争優位
2024・07
要約
本稿は、戦略投資によりアクションベースの競争優位を構築する論理に基づいて、格付けシステムがアクションベースの競争優位を裏付ける際の役割に光を当てる。格付けシステムは米国から発展した、信用情報を産出し、流通するシステムである。伝書鳩という最も原始的な手段が、このシステムの起源において使用されており、その誕生とシステム化の発展はそのまま社債市場の発展と並行したものである。1909年にJohn Moodyが世界最初の格付機関を創設した時期まで、世界の資本市場は300年間以上存在し続けてきた。格付けシステムが誕生した必然性について解明することが、本稿の重要な出発点である。格付けシステムとそのシステム化の発展とともに資本市場に提供される信用情報は、産業構造における戦略投資により形成されるプロフィット・センター・ポートフォリオの合理化を促進すると同時に、企業の持続可能な競争優位を裏付け、国の競争力を高める。
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張 嘉楠 |
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