アメリカの暖簾会計


著者名 清水泰洋
タイトル アメリカの暖簾会計
出版社 中央経済社 2003年8月
価格 4000円 税別

書評

本書は、企業結合(M&A)を行った際に主に発生する無形資産である暖簾についての歴史的研究です。アメリカでは企業結合および暖簾を含む無形資産の会計基準が2001年に変更されました。これが日本を含む各国の基準設定に大きな影響を与え、ある種の普遍性を得ているというのが現状でしょう。しかしながらこれらの基準の設定の背後には歴史的経緯が存在しています。本書が明らかにしようとするのはこの歴史的経緯で、現在のアメリカの暖簾会計がいかに20世紀はじめの経済的・社会的環境に影響を受けてきたかを述べようとしています。

現在の日本で基準設定が審議されている領域の一つに企業結合の会計があります。最近出された基準の公開草案では、いわゆる対等合併の要件が厳格に定義され、結果として従来支配的であった会計処理(持分プーリング法)が大幅に制限されることとなります。本書はわが国の基準設定に直接的な言及をしていませんが、公開草案はアメリカの基準改定の影響を受けたものであり、本書が暖簾の会計基準、あるいはその設定について何らかの参考になれば幸いです。

目次

序章
第1章 経済環境と会計環境
第2章 20 世紀初頭の暖簾の会計理論
第3章 1920年代の暖簾の会計理論
第4章 暖簾の理論-制度派経済学の視点
第5章 暖簾の制度-税法の影響
第6章 会社法と無形資産会計の実務
第7章 無形資産開示実務-公開性政策の視点より
結章 暖簾会計の形成