はじめての企業価値評価

著者名 砂川 伸幸 笠原 真人 著
タイトル はじめての企業価値評価
出版社 日本経済新聞出版社 2015年2月
価格 1000円 税別

書評

社会人MBAのファイナンスの講義では、最後のクラスで企業価値評価を教えます。財務分析、戦略立案、キャッシュフロー計画、資本コストの算出など、個別のテーマを合わせて数値化する作業が、まとめにふさわしいからです。MBA経営戦略の講義では、最初のクラスで企業価値と企業価値評価について話します。企業価値の向上が経営戦略の判断基準になるからです。

この10年間で、企業価値評価に対する関心は驚くほど高まりました。以前は、「企業価値は測れるのですか」「DCF法とは何ですか、どのように使うのですか」という質問が多くありました。いまは違います。多くの方がDCF法を使っています。「今後、何らかの形でM&Aに関わると思いますか」と聞くと、多くの手があがります。企業価値の向上をベースに経営戦略を議論したり、M&Aの買収価格について分析したりする時間も増えました。企業価値評価は、ビジネスマンにとって、必須のリテラシーになりつつあります。

学部学生は、ビジネスの流れに敏感です。最近では、学部の講義でも、企業価値評価を教えるようになりました。今年の講義では、M&Aのシナジー効果の算定や負債コストを税引後にする理由などについて質問がありました。ずいぶん進歩したものです。

以前は、企業価値評価を知っていることが強みになりました。今後は、企業価値評価を知らないことが弱みになるかもしれません。企業価値の向上が経営目標になっている時代です。ビジネスマンとして、企業価値評価を知らなければ、経営目標が分かっていないことになりかねません。学生は、企業価値評価を学ぶことで、企業に対する理解が深まります。このような時代背景を念頭において、本書を読んでください。

    目次

    はじめに
    第1章 企業価値評価の考え方
    第2章 企業価値評価のキーワード
    第3章 企業価値評価の基礎
    第4章 クロスボーダー・バリュエーションの基礎
    第5章 企業価値評価の実践
    第6章 企業価値評価の検証
    ブックガイド