実務に活かす管理会計のエビデンス

 

著者名 加登 豊、吉田 栄介、新井 康平(編著)
服部 泰宏(第12章 著)、佐久間 智広(第26章 著) 他
タイトル 『実務に活かす管理会計のエビデンス』
出版社 中央経済社 2022年4月
価格 4070円 税込 

紹介

管理会計実務において定説とされていることの中には、学術的な裏付け(エビデンス)があるものもあれば、そうでないものもあります。また、定説とは異なるエビデンスが提示されているものもあります。本書では、管理会計に関連する幅広いトピック(34個)についてのエビデンスを紹介・解説しています。各章がそれぞれのトピックを専門として研究する別々の研究者によって執筆されています。タイトルにもありますように、実務家を想定読者として執筆されていますが、管理会計領域で研究されているトピックとそこで検証されている内容を概観できるので、大学院生や管理会計ゼミに所属する学部学生にも手に取っていただきたいです。

目次

はじめに

Introduction    なぜ実務家に「エビデンス」が必要なのか

Part 1 管理会計システムのエビデンス
Chapter 1 予算利用 ─ コントロールにおける「文脈」の重要性
Chapter 2 予算スラック ─ 予算スラックの抑制やその活用方法の検討
Chapter 3 原価計算 ─ 「影響システム」としての役割と「活用される原価情報」へ
Chapter 4 経営計画 ─ 環境変化に対処し,イノベーションを促進する
Chapter 5 組織間管理会計 ─ 取引企業との協力関係を築くために
Chapter 6 BSC ─ 業績評価を通じた戦略マネジメント体制の構築
Chapter 7 アメーバ経営 ─ いかなる導入効果をもたらすのか
Chapter 8 設備投資の意思決定 ─ 投資の経済性評価と投資意思決定のあり方
Chapter 9 最適在庫計画 ─ 最適な在庫の保有から在庫を持たないシステムへ
Chapter 10 内部統制・内部通報 ─ 通報窓口の匿名性と設置場所に関するエビデンス
Chapter 11 管理会計担当者に求められるスキル ─ 技術的スキルから人的スキルへ
Chapter 12 人的資源の業績評価
Chapter 13 分権的組織の業績評価 ─ 評価システムのデザインと権限の委譲
Chapter 14 在外子会社の業績管理 ─ 在外子会社の活動をコントロールするための仕組みと方法
Chapter 15 経営者の業績評価 ─ 相対的業績評価と比較対象の設定基準
Chapter 16 企業価値経営

Part 2 管理会計を分析する新しい概念とそのエビデンス
Chapter 17 混雑コストの存在
Chapter 18 販売費及び一般管理費 ─ コスト・マネジメントにおける販管費の重要性
Chapter 19 多様なコストドライバー
Chapter 20 目標設定 ─ 達成が困難な目標と容易な目標の使い分け
Chapter 21 ラチェット効果
Chapter 22 脱予算経営
Chapter 23 業績評価バイアス ─ 業績の見せ方による評価の歪み
Chapter 24 インターラクティブ・コントロール
Chapter 25 起業家的ギャップ ─ 従業員の創造性を高めるために,権限よりも大きな責任をあえて負わせる
Chapter 26 創造性

Part 3 管理会計の新領域とそのエビデンス
Chapter 27 病院・福祉組織における管理会計システム ─ 設計・運用とその効果
Chapter 28 行政組織のパフォーマンスを向上させる業績管理システム
Chapter 29 中小企業における管理会計システム
Chapter 30 教育研究組織における管理会計システム ─ 質的側面とアクターの認知への注目
Chapter 31 長期的環境経営の障壁とエココントロールの役割

Part 4 実務からみたエビデンス
Chapter 32 実務からエビデンスを獲得すること
Chapter 33 実務でエビデンスを利用する際の注意点 ─ 意思決定を誤らないために
Chapter 34 実務と学術的議論のギャップの理解と克服に向けて