リーダーの魂


著者名 伊藤謙介 著 金井壽宏(対談、解説)
タイトル リーダーの魂
出版社 文源庫 2010年3月
価格 1800円 税別

書評

伊藤謙介氏は、京セラの社長、会長経験者で、今は,相談役、そして、京セラの理念の語り部でもある。伊藤氏はその迫力で理念に基づく経営の大切さを語れるひとはほかにいないので、研究会等によくお越しいただいた。学ぶことがいつも多く、同時に心が清らかになる。

いい工場とわるい工場の違いは、トイレの履物を見ればすぐわかるとおっしゃる。つぎに来るひとに履きやすい状態にきれいに揃って並んでいる工場は、品質もいいそうだ。現場を歩かれ、京セラ名物のコンパという名のもとでの議論の機会を大切にされ、その基盤に、一方では,理念があり,他方では,文学への深い憧憬がおありだ。

前著『心に吹く風』で、伊藤氏が、経営者でありつつ、詩人であり、文学通であることがわかったが、今回の書籍は、その両者が根っこでつながっていることが伝わってくる。その両方があるから、伊藤氏独自のリーダーシップがあり、そこにきびしさに耐える強さと、心が清らかになる柔和さが同居しているように思われる。そういう書籍に、「今、リーダーに問われること」というタイトルの第2章で、上記の点にもかかわるような対談を載せてもらい、また、「解説、対談を終えて」を寄稿させていただいた。

目次

第1章 「逆三角形」の思想で働く
第2章 [対談]今、リーダーに問われること 伊東謙介/金井壽宏
第3章 「先人」の歩みに学ぶ
第4章 「旅師」の心を知る
第5章 [講演]理念が希薄化したとき、企業の命運は尽きる

前の記事

リーダーシップ・チャレンジ

次の記事

小売業革新