寄付つき商品購入者の意識調査
要約
CRM(コーズ・リレイテッド・マーケティング 以下CRM)を活用して,災害復興支援を目的とした寄付金を集める研究を進めるうえで,寄付つき商品の購入者の意識を調査した。寄付つき商品を販売して,購入者に対してアンケート調査を実施するにあたり,
タビオ株式会社(以下タビオ)に協力を依頼した。
調査方法は,タビオの実店舗ブランド「靴下屋」とネット販売の店舗ブランド「ショセット」で,1足につき納品額の10%の寄付金が付いた「くまもんデザインのソックス」を期間限定で販売した。販売期間は,2016年10月1日~12月31日で,ソックスの販売価格は,税込で972円,756円,648円の3タイプである。寄付金はタビオの負担である。靴下屋・ショセット用に各4品番を用意し,各品番に4色の品揃えがあるため,計16種類のソックスを135店舗と通販で販売した。販売終了後に,寄付金つきソックスを購入したタビオの会員カード顧客に,直接メールを送ってアンケートを依頼して回答を返信してもらう方法で実施した。アンケートは,平成29年2月7日にメール送信し,回収期間を平成29年2月7日~2月25日として77件の回答を得た。アンケート回答への協力と言う意味で、回答者にはタビオのポイントを1500提供した。
アンケート調査の目的は,寄付金つき商品を購入するような「社会に貢献する消費(倫理的消費)」をすることの評価,寄付金つき商品を消費者が支持する割合を明らかにすることである。調査項目としては,寄付つき商品を含む倫理的消費に関する消費者意識や支持,経験なども質問した。
結果として,ソックスのように日常的に購入しない商品でも,一定の購入者層が期待でき,かつ繰り返してCRMを実施しても購入につながることが明らかになった。
キーワード:CRM,寄付つき商品,非日常品,倫理的消費
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馬場新一 |
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