宗教法⼈のアカウンタビリティのための分析枠組み ――Yasmin et al. 2014 に基づいて――

2024・05

要約

本稿では、宗教法人のアカウンタビリティのための分析枠組みについて検討することを目的としている。まず、宗教法人法に基づきながら、日本の宗教法人に求められているアカウンタビリティについて検討する。とりわけ、25条3項が定める「宗教法人は、信者その他の利害関係人であって前項の規定により当該宗教法人の事務所に備えられた同項各号に掲げる書類又は帳簿を閲覧することについて正当な利益があり、かつ、その閲覧の請求が不当な目的によるものでないと認められる者から請求があったときは、これを閲覧させなければならない」という規定が含む意味について問い直す。続いて、このような問い直しに際して有益な参照点となることが期待される、イギリスの宗教団体が果たしているアカウンタビリティについて紹介する。具体的には、イギリスの登録チャリティのうち、キリスト教チャリティ組織とイスラム教チャリティ組織を対象に、信者ら(とりわけ寄付の提供者)に対するアカウンタビリティのための理論とその測定方法について研究しているYasmin et al. (2014)に依拠しながら、その分析枠組みについて検討する。

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堀口 真司

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