ESG/サステナビリティ質問票対応におけるAI支援ツール活用に関する調査結果
2026・07
要約
本稿は、ESG/サステナビリティ関連の質問票対応業務におけるAI支援ツールの利用実態と効果認識についての集計結果を整理したものである。提出回答は63件であり、そのうちESG/サステナビリティ質問票への対応経験がある回答は50件、AI支援ツールを利用した回答は30件であった。本稿では、このAI利用者30件を主分析対象とした。
記述統計の結果、AI支援の主な用途は、翻訳83.3%、設問の要点整理63.3%、回答案の提案60.0%であった。効果認識に関する合成指標の平均値は、学習・能力変化3.55/5、社内議論の変化2.13/3、総合貢献度3.70/5であった。これらの結果から、本サンプルでは、AI支援ツールが翻訳、設問理解、回答案作成などの個人作業を中心に利用され、効率面および品質面で一定の貢献が認識されていることがうかがえる。
さらに、AI利用のあり方と効果認識との関係を補足的に把握するため、相関分析および群間差の確認を行った。その結果、本サンプルでは、AI利用頻度が高い回答者ほど学習平均が高く、AI支援の種類が多い回答者ほど貢献平均が高い傾向がみられた。また、AI利用を踏まえて実際の業務行動に移した回答者では、学習・議論・貢献の各指標が相対的に高かった。代表案件別では、外部評価機関向け質問票を主案件とする群で、貢献平均がやや高い傾向がみられた。
ただし、本分析はAI利用者30件を対象とする小標本の探索的検討であり、因果関係を立証するものではない。したがって、本稿の結果は、AI活用がどのような業務場面で学習や業務貢献と結びつきやすいかを検討するための基礎的位置づけとして解釈することに留意したい。
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中尾 悠利子 |
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